専門薬剤師制度

従来の薬剤師は、医師の処方に対して間違いのない調剤ができることが優秀な薬剤師の条件とされていました。この条件は現在も変わりませんが、高度医療の時代となり、 医師に専門分野でのエキスパートが存在するように、薬剤師にもエキスパートが求められる時代となっています。医療の先端分野で医師と同じレベルで会話ができ、 先端医療に取り組むことができる薬剤師が要求されつつあります。そのため、2008年に専門薬剤師制度が作られました。

専門薬剤師制度とは、各専門領域の医学や医療の知識、薬物治療の高度な知識と技能を持つ薬のエキスパートを認定する制度のことを言います。医療の場で役立つ最新の薬学専門情報を医療スタッフに提供し、 患者さんへの治療がより効果的に、安全に行えるように活躍します。日本病院薬剤師会が認定を行っており、専門性が必要とされる、がん・感染制御・精神科・妊婦、授乳婦・HIV感染症の5つの領域で行っています。

専門薬剤師制度の認定を受けるには、まず各専門領域において薬物治療の実務能力が必要とされる、認定薬剤師(領域別)の認定を受けなければなりません。 各専門領域での実務経験や実績、一定期間の研修や講習で知識と技能を高め試験に合格することが必要となります。その上で、各専門領域の研究業績が吟味され、認定となります。 また、認定を受けた後も5年ごとの更新が必要です。こうして誕生する専門薬剤師は、薬剤業務に加え、医療スタッフへの教育・指導も行います。

専門薬剤師制度は、薬剤師のキャリアアップとしての資格という位置づけです。しかし、誕生してからまだ日が浅いため広く普及しておらず、求人情報もなかなか見つけにくくなっています。 そのため、この資格を生かした就職をする場合には、自分の専門分野で仕事ができそうな求人を探す必要があります。メインの仕事は調剤業務ですが、 ドラッグストアや調剤薬局よりも総合病院での仕事がやりがい・高い満足度を得られるでしょう。 誕生したばかりの制度ですが、徐々に注目度が高まっているためこの資格をもっていることで、採用には有利に働くことも考えられます。

医師や看護師と違い、薬剤師は専門知識や技能を得るための教育機関や研修機関がないため、実務経験から専門性を身につける方法しかありません。多くの症例を学ぶことが将来のキャリアアップへつながるため、 大学病院や総合病院の求人を探し、多くの実務経験を積むことが大切です。